- 教員って本当にブラックなのか、経験者に聞いてみたい
- 教員が辛くて仕方ないから、なんとか改善できないだろうか
- 教員になるために、働く環境について知りたいな
僕は大学卒業してから11年間、公立中で勤務してきました。
部活動に力を入れすぎて家庭崩壊しかけ、2020年に私立へ転職しています。
場所を選んで転職したので、今は顧問を担当していません。
土日も家族でたこ焼きをしたりと、のんびり過ごすことができています。
- あと30年、この働き方を続けるのだろうか
- 教員になったとして、自分はやっていけるだろうか
こう考えているあなたにこそ、読んでほしい記事です。
ブラックな働き方への対処法もありますので、我慢しない働き方を実現していきましょう。
教員(教師)のブラック労働は、5つの原因で発生する
結論、次の5つがブラックに拍車をかけてます。
- 部活動
- 残業代が出ない
- ベテラン不足
- 管理できない管理職
- 休みたい時に休めない現場
それぞれ見ていきましょう。
教員(教師)のブラック労働①:部活動
部活動の顧問をしている限り、ホワイトな働き方は無理です。
経験上、ブラックに感じるのは次の3点。
- 設定時間がおかしい
- 残業代0円
- 土日もない
どれも家庭崩壊につながります。
設定時間がブラック
部活動の設定がそもそもおかしいですね。
- 終業時間→17:00
- 部活終了→18:30
終業時間がきても、部活動の真っ最中なので帰れません。
顧問をしていたら定時に帰るのは不可能なシステムです。
手当は最低賃金以下
部活動の手当は、4時間以上で約4000円という自治体が多いようです。
東京都の最低時間賃金の1,041円を下回ります。
生徒の命を預からなくていいし。
平日はお金を払って部活動指導⁉︎
子どもを保育所や学童に預けている教員は、手当どころかお金を払って部活をしています。
- 学童・・・延長料金100円
- 保育所・・延長料金300円
※我が家の場合
ボランティアどころか、お金を払って部活動指導をしていることに…。
部活動は教員の犠牲がないと、成り立たない状態です。
日曜大会で休みがなくなる
日曜日に大会があると、土曜日も練習することになります。
僕がサッカー部顧問のときは、ガッツリ練習はしないまでもセットプレーの確認やミーティングをしていました。
休めないのは教員だけではない
土日とも休みがないということは、あなたのパートナーも休めないんですよね。
- ワンオペ育児
- 部活動未亡人
部活動を理由に育児をしない教員は、実はけっこうたくさんいます。
僕が知っているだけで、少なくとも10人以上は部活動によって離婚しています。
あなたも、その中の1人になりたくないですよね?
教員(教師)のブラック労働②:残業代が0円
大学で教わらなかったことの1つが、教員には残業代が存在しないということです。
ちなみに教員以外の公務員は、時間外手当が存在します。
- 平日・・・125%分を支給
- 休日・・・160%分を支給
上限がある自治体が多いようですが、それでも0円ではないのです。
なぜ教員だけ、残業代0円になっているのでしょうか。
悪魔の給特法
教員に残業代が存在しないのは、法律で定められているからです。
- 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法
通称「給特法」により、残業代は0円と決められています。
-
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- 教員の仕事は特殊だから、時間外手当(残業代)を最初から上乗せしとくね
- 上乗せ分は4%に決めといたから
- 上乗せしたから、4%以上は支給しないよ
-
この法律により、残業代はあらかじめ給料に含まれることになったのです。
では、具体的にいくらでしょうか?
忙しい30代でも、2週間分すらもらえない。
たとえば基本給30万円なら、みなし残業代が12000円です。
時給1000円としてもわずか12時間分。
- 部活動を平日6日間✖2時間
わずか1週間部活動を指導したら、オーバーしてしまいます。
なぜこんなヒドいことになっているのでしょうか?
給特法の基準が古すぎる
なぜ4%に決まったのかというと、理由は次のとおり。
- 制定されたの当時の残業時間が8時間/月だったから
- 8時間分なら4%が相当とされた
- 制定されたのは1971年
50年以上も前の基準でお金払ってるんですよね。
大学ではこんなブラックなこと、教えてくれませんでした。
2021年4月から残業の上限が45時間に
給特法は2019年に改正され、2021年4月から新しく施行されました。
- 教員の残業は上限を45時間/月に設定
- 罰則はなし
しかも、罰則がないので守られてません。
教員の50%以上が違法状態
全教員のデータを集計している石川県では、時間外労働の実態が次のように出てます。
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- 小学校・・・51.1%
- 中学校・・・69.9%
- 高校・・・・53.6%
働き方改革と言われ続けて数年たってもこのブラックな状況です。
採用試験の倍率が下がるのも仕方がないかと。
教員のブラック労働③:ベテラン先生が不在
あと5年以内に、大量のベテラン先生が退職します。
たとえば小学校教員の年齢構成は以下のとおり。
50代後半のベテランがいなくなると、フォロー役がいなくなります。
もちろん全員がフォローを必要とするわけではありません。
しかし、保護者より年下の教員が言いにくいことも結構あるわけで。
- 保護者への指導
- 子育て経験者としての知見
20〜30代には難しい役割ができるベテラン教員がいないと、学校が安定しないんですよね。
若手を助けられない教育現場
今の40代以上が減ることで、中堅以上の先生1人にかかる負担も増えてきます。
そうなると、有能な人ほど仕事を抱えてしまうわけです。
結果として、若手をフォローする余裕がなくなります。
まさに悪循環ですね…。
教員のブラック労働④:管理できない管理職
フォロー役がいなくなると、管理職もキャパオーバーになってきています。
- 労働時間をごまかす教頭
- 保護者指導ができない校長
僕の周りでさえ、上記のような管理職へのグチが聞こえてきますね。
労働時間をごまかす管理職
タイムカードの時間を少なくしようとする教頭がいました。
例えば、定時になったら勝手にタイムカードに打刻するのです。
「そろそろ押しとくね〜!」と。
なぜそんなことをするかというと、
- 時間外労働が多いと教育委員会から指導が入るから
ようするに、委員会に怒られたくないからごまかすわけです。
ごまかしは管理職の責任だけではない
すべては仕事に余裕がないことが原因ですね。
- 仕事量が増える
- 考えるヒマがなくなる
- 数字だけごまかしてやり過ごす
こういうルートをたどるのも、仕方がない状況です。
保護者に「No」が言えない管理職
明らかに保護者が間違っているとき、あなたの管理職は正しく指摘してくれますか?
たとえば「全て担任の指導が悪い!」とクレームが入った時に、
- 管理職「確かに担任が悪い。保護者に謝りなさい。」
- 管理職「ミスした部分もあるけれど、まあ2度とないようにしますから。」
どちらの対応をとる管理職ですか?
たとえば、こんなツイートもありました。
モンペから理不尽な苦情が来た時、職員を庇うのではなく親に同調して誓約書を書けと言った校長。言われた若い担任は泣いていた。何それ?聞いた事ない。「書いたの?」「…書きました…校長室で『書かないと帰れないよ』と」
どうして親同士の喧嘩に担任を巻き込むかな(怒)何故そこで親を制止しない?— ぽんた (@Pontamama12345) October 21, 2018
管理職が教員の味方とは言えない時代ですね。
教員のブラック労働⑤:使えない権利
公務員は福利厚生が手厚いと言われますが、実際はホイホイとは使えません。
たとえば有給休暇が年20日ありますが、使い切ったことは11年間で1度もありませんでした。
- 授業は誰も替われない
- 他の先生の空き時間を潰すので頼みにくい
こういった理由で、なかなか使えませんでしたね。
いやでも、育児休暇とかは取りやすいんじゃないの?
補充の教員は委員会が用意してくれるでしょ?
埋まらない欠員
採用試験の低倍率化は、講師の数も減ることを意味しています。
今までは、2学期から産休に入る先生がいても替わりの講師がきてくれました。
しかし今は全然埋まらない状況です。
https://twitter.com/Maiky97588215/status/1505766426363138054このツイートのような状況が全国で発生してます。
教員がブラックすぎると感じたら我慢せず行動を
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- 昨年と同じことをしてしのぐ
- 部活動顧問を拒否する
- 心療内科で診断書をもらう
- 思い切って教員以外の仕事に転職する
下にいくほど、難易度が高い対処法です。
ブラックへの対処法①:学校の前年踏襲でしのぐ
前年度のデータをそのまま使いましょう。日付を今年に変えればO.Kです。
- 致命的なミスが起こらない
- 前年度いた先生たちが動きやすい
去年O.Kだったデータなので、大きな混乱は起きません。
ブラックへの対処法②:部活動顧問を拒否する
部活動が無くなれば、かなりブラックから解放されます。
僕はいま顧問をしていないので、ほぼ毎日定時退勤が実現できていますよ。
法的にはできません。
しかし、拒否する意志を示すのと、黙って引きうけるのは全然違いますよ。
・時間外の活動はしない
・土日の引率はできない
以上のことを管理職と約束した上で引きうける
勇気をもって「勤務時間内の活動しかしませんが、それでもいいですね?」と拒否する意志を伝えましょう。
ブラックへの対処法③:診断書をもらう
最終手段は心療内科へ通って診断書をもらい、病気休暇をつかいましょう。
- 最大90日間休むことができる
- 給与は全額支給
※自治体によります
- 最大3年間休むことができる
- 給与は8割支給(1年間)
-
これだけの期間休めれば、かなり身体・精神ともに回復できそうですね。
個人的には転職を考えたほうがいいと思いますよ。
休みの間にスキルアップしたらいいかと。
ブラックへの対処法④:思い切って教員をやめる
教員(公務員)を辞めるとなると、人生の大きな決断だと思いませんか?
もちろん僕もそう思ってました。
でも実際に辞めてみると大したことではなかったです。
アンケートの職業欄が公務員から会社員に変わったくらいですね(笑)
副業については僕の収入が参考になるかと。
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教員(教師)がブラックじゃない仕事になるのは◯年後
ぼくはブラックじゃなくなるまで、あと20年はかかると考えています。
- コロナが終息する
- デジタル反対な世代がいなくなる
- 新しい働き方が民間企業で広まる
- 公務員にも広まる
これだけのステップを踏まないと、全国の学校がホワイトにならないはず。
ただ、環境は変わらなくてもあなたが変わることは今すぐ可能ですよ。
なので、まずはブラックから逃げる行動を始めましょう。
行動してみないと、何も得られませんので。
ちょっと動いてみて、ムリそうなら引き返せばO.K。
「よし、何か行動してみようかな」という人は無料で転職エージェントに相談もできます。
費用は0円ですし、相談してみて途中で断ることもできます。
ノーリスクでできる行動の1つかと。
「私立転職に興味があるぞ」という人は、以下の記事が参考になります。
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ブラックな教員生活で後悔しないためにも、今日から行動を起こしましょう。